深い闇に沈んだ瞳を見たその瞬間・・・世界は色を失った。
『ボクタチノ時間ハ、アノ日カラ狂イハジメタンダ・・・・』

1980年代。古きモノが新しきモノの影に消えゆく時代。
言い伝えられてきた伝承は、近代化という波に飲み込まれ、その中に生きる人々も世代交代を余儀なくされていた。そんな時代に、消えゆく事のない“古きモノ”が蠢いていた。マレビト。それは人が生み出した、形無き幻想か?それとも・・・実を成す人か魔か?何の変哲もない学園生活を送っていた主人公、高村健吾。季節はずれの転校生がやってきた事でさえ、日常の一つと思える平穏な日々。楽しい修学旅行に文化祭。どれも青春の1ページにふさわしい学園のイベントだった。

しかし・・・。彼の何気ない些細な行動が、全てを急変させた。
周囲はワケもわからず、ただ巻き込まれ、流されていく。平和な日々はもう戻らない…いや、戻りようがない。あるべきはずの日常があらぬ方向へと錯綜する中、謎の男が彼の目の前を見え隠れする・・・。前兆が無かったわけではない。ただ、何が前兆なのかが分からなかったのだ。 巻き込まれていく周囲に為す術のない健吾。この状況で、彼は何を考え、何を為すのか?そんな思惑などとは無関係に、今、マレビトが静かに動き出す・・・・。


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